浮気の法律知識 離婚調停のメリットとデメリット
前ページでは離婚調停とは何なのか？
という部分をわかり易く解説しました。
↓離婚調停の解説はこちら↓
では次に、離婚調停で離婚を成立させる上で気になる
離婚調停のメリットとデメリット
…をわかりやすく解説したいと思います。
ココが良い！ 離婚調停をするメリットとは？
裁判の判決内容と同等の強制力を持つ「調停調書」が作成してもらえる
離婚調停で合意に至った場合、その内容を記載した
「調停調書」というものが作成されます。
離婚をする事、離婚の慰謝料、財産分与、年金分割
養育費、面接交渉の事などの諸条件の合意内容が記載されます。
この文書の内容は、確定判決と同様の効力を持つのです
。簡単に言えば、裁判の「判決内容」と同様の強制力を持つのです。
養育費や慰謝料など、取り決められた内容について不払いや
不履行があれば強制執行手続きをする事により
相手の財産を差し押さえることができます。
また、「調停調書」には、公正証書には無いメリットもあります。
それは「履行勧告」というもので、相手が慰謝料や養育費などの
支払いを滞納させたりした場合、裁判所から相手方に対して
「約束を守って支払いをしなさい」という勧告を出して貰う事ができるのです。
相手と会わずに話し合い（協議）ができる
離婚調停では実際に夫婦が顔を合わせる事はありません。
当事者それぞれが各個に家庭裁判所内で調停委員と話し合う形式です。
ドメスティックバイオレンス（家庭内暴力・DV被害）等の理由で
相手方から身を隠して生活している場合には、その事を家庭裁判所に
伝えておけば、時間をずらす等の措置も可能ですので安心です。
「当事者同士の協議では言葉巧みな、あるいは脅迫的な
相手の態度に交渉の主導権を奪われがちで心配」
という方や「家庭内暴力（DV）被害で、相手から逃げている」という方にも
離婚調停は有利な制度なのです
費用が安価で済む
調停は管轄の家庭裁判所に申し立てをする事で行えます。
その費用は印紙代に９００円。
呼び出し通知を送付する為の郵便切手代約１０００円程度
（各裁判所によって前後します）なので、平均して合計２０００円程で
その恩恵が受けられるわけです。
訴訟ともなれば弁護士費用等で相応に費用が掛かりますので
それに比較すれば格段に安価で済ませられるわけです。
しかし、こんな便利な「離婚調停」にもデメリットはあります。
ココが良くない！ 離婚調停で離婚を成立させるデメリット
離婚までに期間が必要
離婚調停は申し立てをして平均して約一ヵ月後から開始し
それから月一回のペースで（裁判所が繁忙であればそれもまた延びる）
家庭裁判所に呼び出され、話し合いをします。これを平均して３～６回
重ねて調停は結果をみるのです。そうなりますと、調停の期間は
最低４～６ヶ月は必要となってきます。
離婚が成立してもその他、諸々の手続きを合計すると
離婚成立までに約一年程掛かってしまうのです。
調停日は平日に限定されている
お役所仕事と平行されるかもしれませんが、調停の日程は平日に限定されていますので
お仕事が土日休みの方は月一回のペースで平日に休暇を取得する必要があります。
慰謝料や養育費などの査定額が一般的相場を元に決定されてしまう
当事者同士の離婚協議であれば、不貞行為の常習性や非道徳性を裏付ける証拠資料の
質の高低により、相場より高額な慰謝料の支払いの合意も取り付けられる
可能性もありますが離婚調停の場合、どれほど、その訴えに妥当性があったとしても、
相場に不相応な要求は通り難いのです。
やはり、ここでも不貞行為（浮気）の証拠などを調停前に準備して入手しておくことが肝要です
客観的にみて調停委員が納得できるような、データを収集しておくことも重要です。
「月々の養育費にこれだけの金額を要求するのには、こんな背景があって必要な金額なのです」
「婚姻生活時のこの日時に、こんな酷い仕打ちを受けた。」
…など、できるだけ克明に婚姻生活時に受けた仕打ちや、暴言、辛かった言動などを
日時場所をつけて記録しておくと、よいデータになります。
また、離婚調停に望む時は、感情的な発言で訴えかけるのは極力避けることが大切です。
調停で、調停委員を味方にしたいのはやまやまですが、あまりに感情に訴えかけると
マイナスイメージになりかねません。つらいながらも努めて理知的に振舞う謙虚さを
アピールするほうが賢明です。
次は離婚調停が不調に終わった場合、そうなりますと裁判での決着をするしかなくなります。
離婚訴訟・裁判離婚の内容について解説します。
